遅刻の帝王の部屋 : イベントレポート : バースデイライブ '99

菊池志穂 バースデイライブ '99 レポート

このレポートは、ライブ中に必死でメモを取ったものをもとに、作っているものです。 メモが間に合わなかった部分もありますので、 その部分については妄想で補完をしながら、何とかまとめています。 そのため、実際とは違っている部分もかなりあるとは思いますが、 あらかじめご承知置きください。


曲順

 1 バス停に立って
 2 まっすぐ
 3 僕のかけら
 4 ひまわり
 5 ひとりぼっちということ
 6 スカートのポケット
 7 朝
 8 たしかめていてよ
   (鈴木祥子さんの曲のカバー)
 9 あいたい
   (今回のライブのオリジナル曲)
10 Dream Child
11 きみとぼくのうた
12 常夏の幸福
13 丘の上に行こう

アンコール
14 恋のシミュレーション

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突然、会場に「こんにちは。私、ピクチャーマジックの原田です。ハラケンと呼
んでください。」という声が聞こえてくる。原田さん本人はステージ上には現れ
ず、声だけでの前説が行われる。

「最後までごゆっくり・・・、あんまりゆっくりされると困るんですけどね、ご
ゆっくりお楽しみください。」

前説が終わると、ギターとキーボードのおにいさんに続いて、白いジャンパーに
赤いスカート姿の志穂さんが登場。

(1) バス停に立って

「こんばんは、27歳になった菊池志穂です。」
「おめでとう〜!」
「ちょっと大人になったということで、今年はアコースティックということで行
きたいと思いますが、みんな気持ちはノリノリで、最後までよろしくお願いしま
す。」

27歳になったということで、アダルトなしゃべり方をする志穂さん。

(2) まっすぐ
(3) 僕のかけら

ここで、テーブルの上に置いてあったペットボトルを手に取り、後ろを向いて水
を飲む志穂さん。客席からは、拍手とともに「ひゅ〜」という声がする。

「あらためまして、こんばんは。菊池志穂です。5月6日、27歳になりました。」
「おめでとう!」
「ありがとう!
  去年に引き続き、ドンピシャに誕生日、みんなと共に過ごせるということで、
とても喜ばしく思います。
  今回の会場のエッグマンですが、私のたっての希望で、座ってますけどたって
の希望で、エッグマンって言い出したのは私です。
  真ん中に柱とかあるけれど、後ろの人見える?」
「モニターあるから。」
「モニターじゃ、菊池さんの美しさは表現できませんよ。
  去年もやったんですけど、エッグマンでやりたかったんですよ。2〜300人ぐら
いのコキタないライブハウスでやりたくって。コキタないって、エッグマンの人
に怒られそうですけれど。
  予想を上回る売れ行きで、入るかなって心配していたんですが、みんなダイエ
ットしてきたようで、入りました。
  エッグマンは、あたしが一番ライブに来ているライブハウスで・・・。次は渋
公で、いきなり渋公かいって気もするんですが、しばらく、ライブハウスあらし
というぐらい、あちこち回りたいと思います。」

「今日は、先ほどから聞いてもらってますように、アコースティックということ
なんですが、アコースティックだと、こんなにステージが広いものかと。シンプ
ルに、アットホームでお送りしたいと思います。
  どうしてアコースティックなのかと、私、5人以上名前を覚えられないんです
よ。去年はカンニングペーパーがあったんで助かったんだけどね。」

「みんな、苦しくないですか? 具合が悪くなった人は、勝手に具合悪くなって
ください。誰も助けてくれませんから、あたしもここからでは無理なので。
  でも、本当に具合が悪くなったら、スタッフの人とか周りの人とかに言ってね、
その時はみんな通してくれるから。」

ここで、今日の衣装についての紹介。

「今日は何がすごいと言うと、今日のお衣装、菊池の手作りです。」

ファッションショー状態で、ステージ上でポーズを取る志穂さん。

「ミシンで、チクチクチクと縫いました。ミシンだから、チクチクチクじゃない
ですね。ペットボトル入れも (スカートと) お揃いです。」

ペットボトル入れを買いに行ったが、エルモのペットボトル入れだけどうしても
無くって、結局買わなかったとのこと。

「中身は、ポカリスエットのステビアです。本当は、普通のやつが欲しかったん
だけど、原田君がこっちを買ってきちゃったんで。・・・ステージ上でこんなこ
と言っちゃって悪いじゃんね。」

「このタオルも、あたしの大の仲良しの藤原一晴がくれたんだけど、男っぽいで
しょう? あ、彼は一応ミュージシャンなんで。一応って言うなー。
  なぜ (ジャンパーの) チャックを上げないかというと、ずれてるから。
  本当は、ライブの洋服は別に用意してあったけど、これで生計立てられるかな、
って。声優で食いっぱぐれたら、これ売って生活できるかなって思ったんだけど、
1着ずつしかないしね。」

ここで、恒例の「初めて来た人」チェック。

「去年も来た人?」
「は〜い!」
「・・・全体の90%ぐらい。初めて来た人?」
「はーい。」
「はい、嘘はつかない。」

そろそろ曲の話に戻って、

「アルバムの方、みんなも何百万回と聞いたりダビングしたり聞いたりダビング
したりしていると思うんだけど。去年も3曲目が『僕のかけら』で、その時はま
だアルバムも出ていなくて、初公開だったわけさ。
  今年も同じく3曲目が『僕のかけら』だったんですが、歌詞も間違っちゃった。
みんな歌詞を知っているから、笑われちゃったし。でも、ほら、あとでちゃんと
置き換えて歌ったじゃん。」

「えー、それでは、アルバムの中で、もう1曲菊池の作詞した『ひまわり』をお
届けします。」

(4) ひまわり

「えー、しっとりしてきたところで・・・、しっとりと行きますよ。
  昨日、トゥルーラブストーリー2のイベントがあって、ここであったと思うん
ですけれど、来た人? あ、だいぶですね。
  おととい、番組名が分かんない、ごめんね、おとといもイベントに来た人?
だいぶ。
  3日もエッグマンに来るとは、エッグマンの人も大喜びでしょう。このまま常
連になってください。
  そのトゥルー・ラブストーリーのエンディングを、2曲続けてお送りします。」

(5) ひとりぼっちということ
(6) スカートのポケット

「まあ、とか何とか言っている間に、半分終わってしまったんですね。」
「えー」
「菊池さん、持ち歌少ないんだからさ。頑張るよ。あたしが頑張ってもしょうが
ないんだけどさ。」

ここでまた、志穂さんが飲み物を飲んでいると、なぜか客席から「お? お?」
とかいう反応があって、「えっ、それって新しいギャグ? あたしも覚えなくっ
ちゃ。」と志穂さん。

「さっき、子安さんから留守電が入っていて、お誕生日おめでとうって。子安さ
ん、昨日お誕生日だったんで、あたしもお誕生日おめでとうって留守電を入れて
おきました。」

ここで、「忘れないうちに」ということで、メンバーの紹介が行われる。

「両隣のお兄さん方、同じネズミ年なんで、15歳と27歳。・・・計算はしないよ
うに。
  準備OK?
  まず、オン・ギター、江口正祥。えぐっちゃんって呼んであげてください。せ
ーの。」
「えぐっちゃーん。」
「いやあ、この歳になって、そんな風に呼ばれるとは思いませんでした。」
「普段はおとなしいんだけど、岩男さんのライブとかで、こ〜んなにしている顔
が、声グラとかに載っていると思いますので、見かけたら『頑張ってるなあ』っ
て思ってください。えぐっちゃんとは、仲良しなんですよ、実は。・・・ウソく
さい? ごめんね。
  明日から、京都で岩男潤子さんのライブがあって、そちらにも参加しますので、
ぜひ見に行ってあげてください。」

「続いてバンマス、オン・キーボード、伊藤真太朗。しんちゃんです。せーの。」
「しんちゃーん。」
「かれこれ4、5年前くらいからの知り合いで、でもいっしょにお仕事するのは初
めてなんです。ライブの企画を考えている時に、会社の人が誰も何も言ってくれ
ないのに、しんちゃんだけ親身になって聞いてくれて。
  しんちゃんは、真行寺恵里さんのライブでも活躍していて、あたしもこの前見
に行ったんですが、かっこいいですよ、菊池とは富士山頂と5合目ぐらい違いま
すから。
  恵里さんは、パンチの効いた歌声で、めっちゃトークがうまいです。あたしは、
それを見ていて、その柱のかげからこうやって見ていて、ああいう風になりたい
って思いました。みんなも見に行ってくださいね。あたしもなるべく見に行きた
いと思います。あ、でも、あたし目当てに見に来ないように。プライベートでは
失礼な女なんで。」

「よく、字が分からないって言われるので」と、2人の名前を説明する志穂さん。

「祥は、菅原さっちゃんの祥。うわ〜、何て分かりやすい説明。ここで吉祥寺っ
て言わないのが、みんなのことよく分かっているっていうか・・・。」

この時、しんちゃんの名字を「普通のイトウ」としか説明しなかったので、

「イトウって、どっちのイトウですか?」
「えーと、藤の方。うわ〜、女の子だよ〜!」

と、なぜか喜ぶ志穂さん。

「そして、忘れちゃいけない、このステキなボーカリスト、菊池です。あと3つ
数えたら30です。頑張るぞ!」

ここでまた、志穂さんが飲み物を飲みに後ろを向く。客席から拍手が起こるので、

「分かんない2人に説明。あたしがお水を飲んでいる時に、しーんとなってしら
けちゃうでしょ? だから、その間はみんなで勝手に盛り上がってて、ってこと
になっています。」

もう一度、えぐっちゃんとしんちゃんのことを紹介して、会場が盛り上がったと
ころで、

「たいがい、こういうことをやると、あたしより人気あるんだから。って、同人
誌とかに書かれちゃうから。
  まあ、恵里さんとか潤子さんとかのライブに行ったら、周りがどんなにしらけ
ていても、『えぐっちゃーん』『しんちゃーん』って呼んであげてね。」

「あんまりしゃべっていると、トークライブになっちゃうから。今日はライブで
す。真剣にやります。」

(7) 朝

「スカートのポケット」までは座って歌っていたのだが、この曲からは立って歌
い始める。志穂さんも間奏の時なんかに頭上で手拍子をさせるように示したり、
「イヤー!」とか「ノリノリー!」とか叫んで、盛り上げようとしていた。

「さて、盛り上がったところで、恒例なのかな、カバー曲のコーナーです。だい
ぶ力を使い果たした・・・。
  去年は、私の大好きな奥田民生さんの、ユニコーン時代の最後の曲、『すばら
しい日々』を歌いましたが、今年はやんないよ。今、武道館でやっているんだも
ん。昨日知りました。知っていたら行ったのにさ〜、あたしの誕生日に・・・何
てこった。」

「去年、多くの人が、遠くから来たり、携帯電話で聞いていたりした、私が半年
ぐらいやっていた『MOTTO!! 金曜日』というラジオ番組で、そこの坂道を降りた
ところで生放送をやっていたんですが、会場の前に見に来てくれていた人はいい
んだけど、なぜか上の方に手が何本か伸びていて、何かって聞いたら、来られな
い人が携帯電話で聞いているって。リアルタイムで聞きたいっていう熱い思いが、
そこまでさせていたという。
  その番組で、いろいろな方が来てくれて、来られる方の曲は聞かなきゃってこ
とで。あたしの方から呼んでほしいって人と、局の方からぜひって方とがいるん
だけど、その中でゲストに来てくれた方の中で、鈴木祥子さんの『私小説』って
アルバムが、ガツーンて来たね。」

「あたし、女性ボーカルって、興味なくって。詞のね、世界観が嫌いで。自己中
心的で、男性の書く詞の方が観念的っていうか、大きいって言うか、・・・夢見
がち? で好きなんですけど、でも『私小説』の詞の赤裸々な体験を見て、ショ
ックを受けました。」 

鈴木祥子さんに、ゲストで来た時に
「菊池さんって、『生徒諸君!』のナッキーに似ているね」
って言われたそうで、
「よく判んなかったけど、『そうですね〜。よく言われるんです。』」
と返事をしたとか。

「その中で、『たしかめていてよ』っていう曲が一番いいなって思ったんだけど、
奥田民生とのコラボレーションって書いてあったので、あーやっぱりあたしって
民生さんのことを愛してるんだ、って思ったね。青森に行った時も、イベントで
行った時ね、ラジオからドラムの音が聞こえてきて、あっ民生さんの曲だって思
って、曲が流れたらやっぱりそうだったのね。初めて聞いた曲なのに、ドラムの
1音だけで分かるなんて、『やった、菊池、マニアだ』と思ったよ。」

雑誌で鈴木祥子さんのエッセイを読んだ話では、
「・・・女の子にしか分からないよ。」
「どうして?」
「女の子って、言うことと考えていることって違うから。よく見せようとするか
ら。今こうして言っていることと反対のことを考えたりするから。あ、恋愛に関
してはね。」
というような、志穂さんの恋愛観についても少しだけ触れられたりした。

「ちなみに、えぐっちゃんは、どんな曲が好きなの?」
「えっ?」
「振る、って言ったじゃん。」
「えっと、・・・菊池さんの曲が・・・。」
「それ先に言っちゃったら、しんちゃんが困るじゃん。
  しんちゃんは?」
「何でも好き。」

しんちゃんのところで、レネ・マーリンの曲を聞かせてもらった時の話などをし
たりしてから、

「だいぶ話が逸れているけど、戻って、その鈴木祥子さんの曲を歌うんですけど、
今回歌う曲の中で、一番自信が無いよ、間違えたらごめんね。
  今、一番尊敬している女性アーティスト、鈴木祥子さんの曲で、『たしかめて
いてよ』。」

(8) たしかめていてよ

「どうだった? CD欲しくなったでしょ。祥子さんの足がジャケットなんだけど
さ、めっちゃキレイよ、欲しいって。」

「ここで、祥子さんの曲をやったってこととは、全然関係ないんですけど、最近
歌詞カードを見るのが大好きで、CDを買ったら、まず歌詞カードを見るのね。
  お部屋の中にまずCDが重なっていて、とにかく歌詞カード全部抜いちゃってて、
机の上にこう、開いたまま広がってて。何が入ってるか分かんないけど、とりあ
えずCDプレイヤーをかけて、『あ、今これが入ってたんだ』ってなっています。」

「そんな中で、今、お気に入りの曲は、aikoさんの『小さな丸い好日』っていう
アルバムで、ジャケ買いしたけど、正解。3つに1つはハズれだけどね。これも女
の子の視点から見た恋愛の歌なんですけど、買って『うわーポニーキャニオンだ、
もらえばよかった』って。」

「あたしもこういうのをやってみたいって言うのが出てくるわけですよ。それで、
ずっとだまっていたんですけれど、実は、国際フォーラムでアニメ紅白歌合戦を
やっていた時に、ハコをとりました。」

「それで、ライブの企画とかを考えている時に、真太朗さんに『オリジナルをや
ろう』って言ったら、曲を書いてくれたんですよ。
  そして、あたしが詞を書きました。3回ダメ出しをもらって、完成するまでに1
ヶ月かかりました。書きたいこととかをノートに書きためてたんですけど、まる
まる1冊で、やっと1曲できました。」

「次にやるのが『あいたい』って曲なんですが、ライブオリジナルなんで、この
あとどうなるかは分かりません」
「えー。」
「要望は、ファーストスマイルまで送ってください。そりゃ、みんなの反響次第
で、レコード会社も頑張るさ。」

(9) あいたい
(10) Dream Child

「ちょっと休憩。酸素足りなくって、気持ち悪くなってきちゃった。」

と言いながら、ギターを持つ志穂さん。ここから3曲は、志穂さんもギターで参
加。

「途中で倒れたらゴメンね。そしたら、終わりになっちゃうから。
  とりあえず、ラス3。頑張ろう。」

(11) きみとぼくのうた

歌のサビの部分で、客席のみんなに歌わせて、「もっともっと」とか「まだまだ」
とか煽る志穂さん。

「そして、休憩。酸欠、みんな大丈夫? あたしがいなくなったら、みんな勝手に
歌っていてね。
  一緒に歌うんだよ。」

(12) 常夏の幸福

「さあ、ラストです。」
「え〜っ!」
「ラストったら、ラストなんだよ〜。もっと聞きたい人は、おうちに帰ってCDを
聞け。
  最後の曲、みんな心残りのないように、一緒に歌ってください。」

(13) 丘の上に行こう

最後の「一休み」のところで、曲が止まって、

「えー、いろんな巡り合わせがあって、ここにいます。来年のことは分かりませ
んけれど、本業もアーティストも頑張ります。」

もう一度、メンバーを紹介して、

「そして、ビューティホー、プリティ、キュートなボーカルは、菊池志穂でした。
みんなと過ごせて、本当に楽しいバースデイでした。どうもありがとう。」

曲が再開。会場中に拍手が響く中、退場する3人。と同時に、「アンコール!」
という声がかかり始まる。

ステージに照明が点ると、なぜか、どこかで聞いた覚えのあるテーマミュージッ
クとともに、麻績村まゆ子さんがステージ上に登場。

「皆さん、アンコールありがとう。はい、今日も元気な麻績村まゆ子です。
  こんなに拍手してくれるってことは、あたしのこと知っているのかなあ?
  麻績村まゆ子といえば、ポエマー。菊池志穂さんのために、誕生日のポエムを
作ってきました。」
  
ポエム「たんじょうび」を朗読するおみまゆちゃん。

「はい、こんな感じで。」

「ありがとう、おみまゆちゃん」と言いながら、志穂さんが登場。この時点で、
志穂さんは黒いスワローテールのTシャツに、黄色いズボンに着替えていた。お
みまゆちゃんの衣装は、赤いカーディガンと、志穂さんがプレゼントしたという
茶色いワンピース姿。

「あたしがわがまま言って、誕生日のプレゼントにおみまゆちゃんのポエムが聞
きたいって、FAX友だちだからFAXで送ったら、『バッチリだから』ってFAXが返
ってきたんで、期待していました。」
「お誕生日おめでとうって言ったらありがとうって言ってほしいって思うから、
ありがとうっていうポエムにしました。」

全員で、ハッピーバースデーを合唱。

「どうもありがとう。えぐっちゃんに、誕生日が喜べるっていいよねって言われ
ました。もうこの年になったら誕生日は祝えないぞって。
  今度はおみまゆちゃんにも、スカート作ってあげるね。お揃いで。」

「おみまゆちゃんが誕生日にライブやったら、一番前で花いっぱい持って『おめ
でとう!』って、やってあげるね。」

なぜか、困ったような顔をするおみまゆちゃん。

「あ、いやなんだ・・・。」
「違うっ、違いますよぉ。どうして、誕生日にライブやってるかなって考えたら、
きっと、みんなに『おめでとう』って言って欲しかったからなのかなあ、と思っ
て・・・。」

「それはですねぇ」と一瞬考える志穂さん。

「そりゃ、彼氏がいないからさ。350人を選ぶより、ダーリン1人の方が熱いでし
ょう?
  でも、スケジュールの都合のつく限り、これからも誕生日にライブをやります。
アーティストとしての宣言です。
  本業の方も、『カニパン』は終わりますが、『神八剣伝』は毎週初めにナレー
ションがあるし、『ユイ』は出たり出なかったりだけど全国放送だからいいかっ
て感じで。
  やっと自分のやりたい仕事にたどりつきました。子どもが見るアニメに出演で
きて、まあそれがどうかは分からないけれど。
  子どもたちに夢を与えたいって願いがかなって、すごく充実しています。」

「お知らせ、秋にミニアルバムをやります。このライブが終わり次第、制作に取
りかかります。今回は全曲作詞します。そのために発売が遅れたらごめんなさい。
その代わり、キャンペーン頑張ります。アルバムをひっさげてのミニライブをや
ります。今、決めました。それまでに、あたしもそうだけど、体力つけてね。」

ここで、えぐっちゃんとしんちゃんを呼ぶ。

「もう顔と名前を覚えたね。いつでもファンクラブ作ってね。」

「えー、キャラソンはライブでは歌わないことに決めました。キャラソンはキャ
ラクターのイメージなので、それは自分のやりたいものとは違うので。
  今日は、最後に歌い収めということで、『恋のシミュレーション』を歌って、
アンコールに答えたいと思います。」

(14) 恋のシミュレーション

歌い終わると、志穂さんと江口さん、伊藤さんの3人で手をつないで、深々と礼
をしてから、控え室へと消えていった。

客席では、ライブの成功を祝しての三本締めが行われる。最初のうちは心配だっ
たようだが、最後に弾けることも出来たし、みんな満足そうだった。

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